写真、萌、茶、読書。わんこと暮らしたしあわせな日々。雑多極まりない雑食系Weblog。
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・ 長野まゆみ『鉱石倶楽部』
鉱石倶楽部
長野まゆみの著作を読んでいるとき、問答無用でうっとりしてしまうものが2つある。

1つは漢字で書かれる色や鉱石の名前。
カタカナでルビが振られているものも含めて、その“文字”の持つニュアンスを読みとろうと試みるとき、それが実際知っているものでも知らないものでも、そのイメェジはとても遠くて近い、不思議な距離感と、掴めそうで掴めない透明感を伴う。それがなんとも心地よくて、ついつい何度も読み返してしまうこともしばしば。

もう1つは、食べ物の名前。
イメェジできそうなのに何処か一歩届かない架空のもの。独特の表記をされるもの。(特に『宇宙百貨活劇』のロケット壜ソォダ、ショコラマシュマロの入ったシュウクリイム、『天体議会』の檸檬水(シトロン・ブレッセ)や苔桃のジャム、そして変わり玉!)

そういったものをこよなく愛する私にとって、この本はまさに至福の一冊。
どんな風に賞味するか、といった、“物語の中の鉱石”の解説の隣には鉱石の写真。読んではカラーの鉱石写真を眺めてうっとり、もう一度読んではうっとり。

中でも“月露”。見開きにはドロップのような形(実際は月長石)の写真。
何度も読むうちに、本当にほんのり蓮の薫りがする、鎮静作用があるドロップのように思えてきて、思わず鼻を近づけてしまいそうになるほど(!)だった。

いつも以上に“色彩感”の鮮やかな掌編たちと、届きそうで届かない、不思議な距離感を感じさせる世界観。長野まゆみの世界が好きな方にはぜひ読んでいただきたい。(私は“いつでも読みたい”本リストに追加。)

私にとって、長野まゆみの作品って“届きそうで届かない”というその不思議な距離感が好きなのかもしれないなぁ…と改めて感じた一冊。

[参考]
 ・耳猫風信社 (長野まゆみ公式)
Book/Music/Movie - comments(7) - trackbacks(0)
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コメント
面白そうですね。探してみます。
長野まゆみさんの本はまだ読んだことがありません。
ヒカルさんのお気に入りなんですね。

鉱石については興味があって、写真も好きです。
箱型の雑誌で、付録に鉱石標本が入っているのがあるのです。
月刊だったか週刊だったかで、集まっていきます。
ちょっと欲しかったですが、ずいぶん延々と続刊が出そうだったので思いとどまりました。

ヒカルさんのおっしゃる「不思議な距離感」は、私も似たようなものを感じたことがあります。
それは、宮沢賢治の童話の表現に感じられました。
「金剛石」や「雲母」などが出てきて、読んでいくと心の中が静かに輝いていくように思います。

「月長石」の、まろやかに曇った雰囲気が好きです。
色石のきらびやかさとはまた違って、月という名がよくあいます。
写真を見てみたい!と思いました。早速メモします。
2005,09,07 Wednesday 21:37 - なすの花
なすの花さん、コメントありがとうございます!

長野まゆみはちょっと世界観が特殊なので、ダメな方はダメかなーと思うんですが、あの独特の“ことば”の世界が私はとっても好きです :)
この本は鉱石の写真を眺めるだけでも楽しいと思いますよ♪

>鉱石標本が…
確か、ディアゴスティーニから出てたのですよね?
私もちょっと興味があったのですが、ディアゴスティーニの本って最初の数回買ってやめてしまった経験が何度かあるので(…)、結局私もあきらめちゃいました。

>不思議な距離感
そうそう!長野まゆみは宮沢賢治に多分に影響を受けているところがあるとご本人も仰言っておられますので、おそらく、なすの花さんが感じられた不思議な距離感と、私が長野まゆみ作品に感じる不思議な距離感は近いかもしれません :D

>まろやかに曇った雰囲気
とっても素敵な表現ですねー!本当に月長石の曇りかたって、まろやか、という言葉がとてもぴったり来ると思います :)
決してきらびやかではないけれど、存在感のあるところが私も大好きです♪
この本に載ってる月長石はドロップスみたいな形で、何度見ても“はぁぁ〜”とため息をつきながらうっとりしてしまいます :)
2005,09,08 Thursday 00:19 - ヒカル
ヒカルさま、こんばんは。
長野まゆみさんは、私は未体験なのですが、
鉱石は、そのむか〜しから、フェチなので(笑)
(ええもうお月さまよりも前から好きでした)
かなりツボかもしれません〜。
しかも『月露』で、『月長石』なんですよね!?
今度探してみます。おすすめありがとうございました。
2005,09,09 Friday 00:12 - variousmoon
variousmoonさん、コメントありがとうございます!

vaiousmoonさんも鉱石がお好きだったんですねー :)
きっと、写真とその鉱石にまつわる“物語の中の鉱石”のお話でうっとりしていただけると個人的には思っております♪
私は雛者なので縁がないのですが、鉱石のお店も少し載っています :)

“月長石”にまつわる“月露”は本当に素敵ですよー!
何度も何度も読み返してはうっとりしております :)
写真も本当にドロップスみたいで、読んでいるとその鉱石の写真が本当に“物語の中の鉱石”のように見えてくる素敵なお話です。

長野まゆみは世界観に好き嫌いが多少あると思うんですが^-^;、機会がありましたらぜひお手にとって眺めてみてください♪
2005,09,09 Friday 21:54 - ヒカル
そうそう、「ディアゴスティーニ」です。(濁点と小文字が多いとおぼえられません・・・)
ここはいろいろ面白そうなシリーズを刊行していますね。
私も「ドールハウス」の第2弾「和風旅館」にとても興味があったのですが、
前回のドールハウスが百数巻(!)だったらしいので、ちょっとムリだと思いました。

長野まゆみさんも宮沢賢治がお好きなのですね。
「ことば」に気をつかって執筆される作家さんは偉大だと思います。
(いや、多分作家である以上、当たり前なのでしょうけれど、
あまり気をつかわれない方もいらっしゃるように思うので)

「不思議な距離感」が多分近いかもしれないのは、奇遇で面白いですね。
本を読んで共感できると、なんだか嬉しいです。
2005,09,16 Friday 18:32 - なすの花
なすの花さん、コメントありがとうございます!

>ディアゴスティーニ
なんだかしょっちゅう“新創刊!”と言っているけれど、そのシリーズはどこまで続いてるのかなぁ…と思っていたら、百数巻のもあるんですか(驚愕)!!!
…そ…そりゃバインダーも必要になりますよね…。
そうそう!和風旅館、ミニチュア好きの血が私も騒ぎました :)
…でも百数巻にも及んだりしたら本当に困ります(笑)

>ことば
本当に“ことば”を大切にしてらっしゃる作家さんは素敵だなぁ…と思います。やっぱり、ただしく、美しい言葉で綴られた文章を読むと、こころが落ち着きますものね :)

なかなか本の感想ってエントリしづらいところもあるんですが、こんなふうに共感していただくところがあると、すごくうれしいです :)
これからも拙いながらも、本の感想、少しずつエントリしていきますね :)
2005,09,17 Saturday 00:28 - ヒカル
はじめまして★こんにちは。

私も「鉱石倶楽部」大好きです。この作品、、(勝手な憶測ですが)所々にテレヴィジョン・シティや天体議会、螺子式少年的なお話しがあり、個人的にかなり好きな長野作品です。

写真はホント綺麗ですよね・・・そしてあの解説がまたなんとも言えず、素敵です。私もちょっとばかし鉱石集めてるんですけど、あんなレアっぽいものとは疎遠です(笑)

まだ文庫書き下ろしの話は読んでないので、お金ためて買おうと思います!
2007,07,17 Tuesday 11:48 - 夏菊
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